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タチウオ竿とリールの選び方——8:2テンヤ竿・7:3天秤竿・ジギングベイト

調子は掛け方の宣言。番手は糸巻量で読む——ダイワ200番=シマノ600番

同じ東京湾のタチウオ船でも、隣の釣り座は1.8mの短い竿を穂先だけ見つめて構え、反対舷は2mの竿をゆったりシャクり上げ、ミヨシ(船首)では6フィートのベイトタックルがジグを躍らせている——竿の構えと曲がり方を見れば、その人の釣法はほぼ当てられます。テンヤは8:2の先調子で即掛けする釣り、天秤は7:3〜6:4で食い込ませる釣り、ジギングはジグを操作する釣り。竿の設計がそのまま掛け方の違いだからです。リールも同じで、テンヤ・天秤は小型電動が標準、ジギングだけは細糸の手巻きベイト。そのうえ電動リールには「ダイワ200番とシマノ600番は数字が3倍違うのに同じ大きさ」という番手の罠まであります。この記事は船の3釣法を横断して、竿の調子とリールの番手を数字で比較し、最初の1本と1台を決められるところまで案内します。堤防のロッドは重さの世界が別なので、この記事では扱いません([堤防タチウオの記事](col-teibou-tachiuo-howto))。

ここだけ押さえる
  • 竿は釣法ごとに別設計。テンヤ=1.8m前後・8:2〜9:1先調子(テンヤ負荷30〜60号)/天秤=2.0m・7:3〜6:4(オモリ〜100号)/ジギング=6〜7ftベイト(ジグ〜200g)
  • 調子=掛け方。8:2は穂先でアタリを取って即掛け、9:1は高活性の数釣り、7:3は食い込ませる乗せ。ダイワ73-180R・シマノ82MH180のように型番の2桁で読める
  • リールはテンヤ・天秤=小型電動が標準(東京湾の30〜60mなら手巻き両軸でも成立)、ジギングだけPE0.8〜1号の手巻き小型ベイト
  • 電動の番手は両社で別体系。巻ける糸で対照するとダイワ100番=シマノ300番(PE1号300m)、ダイワ200番=シマノ600番(PE2号300m)が同クラス
  • 手巻きの線は水深。東京湾30〜60m=可、大阪湾80〜100m=カウンター付両軸と小型電動が並ぶ、豊後水道130〜200m・沖縄100〜260m=電動必須
  • スピニング禁止(ジギングはベイトのみ)を明文化した船がある。竿もリールも、最後は乗る船の規定が海域の相場より上位

釣法で分かれる3本の竿

項目テンヤ竿天秤竿ジギングロッド
長さ1.8m前後(安定重視の2.0mも)2.0m6〜7ft(約1.8〜2.1m)
調子8:2〜9:1の先調子(乗せ狙いは7:3)7:3〜6:4調子表記より対応ジグ重量で選ぶ
背負う重さテンヤ30〜60号(ほぼ全モデル共通)オモリ〜100号ジグ〜200g(東京湾の基準は150g)
その設計の理由穂先でアタリを取って即掛け短冊を食い込ませて本アタリを待つジグの操作が主体。フォールのアタリも取る
リールの標準小型電動かカウンター付両軸小型電動(60mまで手巻き可)小型ベイト(ロープロ)の手巻き
代表リグ東京湾テンヤの一式東京湾テンビンの一式東京湾ジギングの一式

値は三本柱がそろう東京湾の3リグの標準候補で、根拠の出典はリンク先の一式ページに載せています。釣り方そのものは東京湾テンヤ・大阪湾テンヤ・天秤の記事・ルアーの記事へ。

調子は掛け方の宣言

8:2とは、竿の全長を10としたとき先から2割のあたりを支点に曲がる先調子の表記です。タチウオのテンヤ竿では、この数字がそのまま釣り方の宣言になっています。8:2が標準のオールラウンド。9:1はさらに先だけが曲がる高活性・数釣り向けで、穂先に出たアタリを即座に掛けにいくレスポンス重視の竿。7:3は逆に曲がりを深くして、低活性やシーズン初期・終盤、波の高い日にエサを食い込ませる「乗せ」の竿です。テンヤ負荷はほぼ全モデルが30〜60号で共通なので、テンヤ竿選びは実質「調子と穂先を選ぶ」作業になります。穂先はグラスソリッド=食い込み重視、カーボンソリッドやダイワのSMT=感度重視、という分かれ方です。

この調子はカタログの型番に刻まれています。ダイワは8:2の標準機を無印(テンヤタチウオX 180R/200R)とし、7:3や9:1の変種にだけ73-や91-の2桁を頭に付けます(アナリスター テンヤ 73/82/91-180R)。シマノはサーベルマスターSS テンヤ 82MH180(=8:2調子の1.8m)のように全機種が2桁始まり。この2桁の読み方自体は両社共通です。

天秤竿が7:3〜6:4と胴寄りなのは、掛け方が逆向きだからです。天秤のエサ釣りは、カタカタという前アタリでは合わせず、短冊を食い込ませて竿が引き込まれる本アタリを待つ釣り(天秤の記事)。曲がりの深さが、そのまま食い込ませるための懐になります。オモリ負荷も〜100号と重く、テンヤ竿とは背負う世界が違います。なおオモリ80〜120号を指定するノーマル便(一之瀬丸など)に乗るなら、負荷がそこまで届く竿かLT便かを予約時に確かめてください。

流用が出典で確認できるのは、軽い釣りの側だけです。天秤には2m・先調子のライトゲームロッドの流用が成立します。博多湾の夏のライトゲーム(ジグ80g・テンヤ10号)ではSLJロッドやタイラバロッドの流用が語られ、テンヤにティップランやイカメタルの竿を挙げる船長記事もあります(こちらは単独出典なので参考程度に)。逆方向——ライトな竿で40号テンヤや100号オモリを背負う流用は、出典に見当たりません。

釣法×リールの早見表

釣法標準のリール手巻きの線備考
テンヤ小型電動(ダイワ200番/シマノ400〜600番)カウンター付両軸+PE2号200mで成立電動が推奨筆頭(理由は下のFAQへ)。カウンターは必須ではないが有利
天秤小型電動小型両軸は水深60mまでえさ政(羽田)は電源が各席の下=電動前提の設備。秋冬の深場(120m超)は電動の季節
ジギング小型ベイト(ロープロ)の手巻き手巻きが標準(PE0.8〜1号を300m)ヤザワ渡船はベイトのみ・スピニング禁止・PE1号以下を明文化。明石の深場では電動(フォースマスター301DH)の実例も
深場テンヤ(豊後・沖縄)電動必須。豊後=電動200番(シーボーグ200J)・沖縄=ダイワ300番(レオブリッツ300J/シーボーグ300J)かシマノ800番(フォースマスター800)—(水深130〜260m)豊後水道130〜200m・沖縄100〜260m。沖縄は固有種オキナワオオタチを半夜に狙う深場釣り

糸はテンヤ・天秤=PE1.5〜2号を200〜300m、ジギング=PE0.8〜1号を300mが基準で、この巻き量がそのまま番手選びの物差しになります。番手の数字はダイワとシマノで呼びが別体系(次の節)。各値の根拠は東京湾テンヤ・豊後水道テンヤ・沖縄テンヤなど一式ページの出典欄へ。

番手対応の読み方

電動リールの番手は、ダイワとシマノで別体系のままです。スピニングリールは2018年のダイワLT化で両社の番手感覚がほぼ揃いましたが、電動は揃っていません。だからメーカーをまたいで比べるときは、番手の数字ではなく「どの糸をどれだけ巻けるか」で読むのが公正です。

当サイトの電動リールカタログ実測(44製品66変種のPE糸巻量を突合)では、ダイワ100番=シマノ300番(ともにPE1号300m)、ダイワ200番=シマノ600番(ともにPE2号300m・3号200m)が同じ大きさでした。タチウオの道糸はテンヤ・天秤でPE1.5〜2号を200〜300m。つまりこの「ダイワ100〜200番=シマノ300〜600番」帯が、ちょうどタチウオの電動クラスです。外部の推奨もタックルノート=ダイワ150〜400(小型なら200)/シマノ400〜600(小型なら300〜400)とこの帯に重なり、ダイワが公式に出す番手別メインターゲット(関東)でも、タチウオは100番と200番の欄に載っています。

実名を挙げると、電動はシーボーグ200J-DH(485g)、レオブリッツ200J(入門定番)、フォースマスター600(コスパ)。手巻きで通すならバルケッタ300HG(230g・PE2号300m)やティエラA IC 150Hが挙がります。ダイワ200番とシマノ600番——数字は3倍違っても同じクラス。番手の数字を横並びで比べないことが、電動選びの第一歩です。

手巻きで足りるのはどこまで?

線を引くのは水深です。東京湾の夏の30〜60m帯なら、テンヤ=カウンター付両軸(PE2号200m)、天秤=小型両軸で手巻きが成立します。天秤も秋冬は観音崎沖の80〜100m超(えさ政の実勢は70〜110m)へ移るので、そこからは電動の季節です。

大阪湾のテンヤは80〜100mと東京湾より深いのに、標準候補はデジタルカウンター付の両軸=手巻きの文化が残っています。電動を使うなら小型(シマノ600番/ダイワ100JL)が定番。ジギングはPE0.8〜1号の細糸の釣りで、東京湾の30〜170mでも手巻きの小型ベイトが標準です。明石(50〜100m)ではカウンター付ベイトに加えて電動(フォースマスター301DH)の実例もあります。

そして電動が前提と明記されているのが、豊後水道(130〜200m)と沖縄(100〜260m)の深場テンヤです。豊後は指4〜7本超の大型(ドラゴン)の聖地で電動200番、沖縄は最大2m級の固有種オキナワオオタチを半夜に狙う釣りでダイワ300番かシマノ800番。瀬戸内も〜110m(場所により130m)で電動推奨(ダイワ200番/シマノ600番)です。自分の海域がどちら側かは、釣り方マップの海域表から各一式ページで確かめられます。

いま買える適合ロッド

※ 一式ページと同じ条件でメーカーカタログと突合した適合品です(10/27時点)。同条件のシリーズが他に65件あります。全候補は一式ページ(東京湾)で比較できます。

いま買える適合リール

※ 一式ページと同じ条件でメーカーカタログと突合した適合品です(10/27時点)。同条件のシリーズが他に64件あります。全候補は一式ページ(東京湾)で比較できます。

よくある質問

竿1本で3釣法いけますか?
設計が違いすぎて、1本では無理が出ます。テンヤ竿=テンヤ負荷30〜60号の1.8m・8:2、天秤竿=オモリ〜100号の2.0m・7:3〜6:4、ジギングロッド=ジグ〜200gの6〜7ftベイト。長さ・調子・背負う重さの三つとも別物です。出典で確認できる流用は軽い側だけで、天秤へのライトゲームロッド2m流用と、博多湾のライトゲーム(ジグ80g・テンヤ10号)でのSLJ/タイラバロッド流用まで(ティップラン/イカメタル竿の話も含め、いずれも船長記事1本の値=参考程度)。逆に1台で回しやすいのはリールで、テンヤと天秤は小型電動(ダイワ200番=シマノ600番クラス)が共通です。ジギングだけはPE0.8〜1号の手巻き小型ベイトを別に用意します。
電動リールは必須ですか?
海域と水深によります。東京湾の夏(30〜60m)は手巻きで成立します(テンヤ=カウンター付両軸にPE2号200m・天秤=60mまで小型両軸)。それでもテンヤの推奨筆頭が電動なのは、エサ替えとタナ探りで巻き上げ回数が多い釣りだからです。天秤の秋冬(観音崎沖の80〜100m超)、豊後水道(130〜200m)、沖縄(100〜260m)は電動が前提。買うならダイワ100〜200番=シマノ300〜600番のクラスを、PE1.5〜2号を200〜300m巻けるかという糸巻量で確かめて選んでください。
スピニングリールはダメですか?
禁止を明文化した船が実在します。ヤザワ渡船(大阪湾)のジギング便は「ベイトリールのみ、スピニングは使用禁止」でPE1号以下。テンヤ便でも神戸・須磨の邦栄丸がスピニング禁止を掲げています。一方で東京湾のジギングにはライトジギングスピニング+PE0.6号の流儀があり(バリバス)、博多湾の夏のライトゲームはスピニング/ベイト両対応。つまり可否は腕前でなく、海域と船が決めるルールの側です。結論はベイト寄せで変わりませんが、その根拠は規定にあります——禁止を明文化した船がある以上、スピニング専用で揃えると乗れない船が出るからです。予約の電話で「スピニングは使えますか」と聞くのが確実です。
このロッド・リールは「一式」の中の1スロットです

ロッド・道糸・テンビン…と組み合わせて初めて釣りになります。号数や適合は条件が自動で揃う一式ページでまとめて確認できます。

▶ 東京湾のタチウオ(テンヤ)一式を見る(全候補から選ぶ)

ほかの一式: 東京湾(テンビン)・東京湾(ジギング)

参考にした情報源

最終更新: 2026-09-06 / 釣りスレッド 編集部