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東京湾の船タチウオテンヤ——頭カット大羽イワシの密巻きから

号数は道糸が決め、エサは受付で買う。針はエサに刺さない

受付で冷凍イワシのパックを買う——東京湾の船タチウオテンヤは、ここから始まります(10尾500〜700円が相場。餌付きの船は例外で、船上の追加購入は不可)。バケツの中の大羽イワシの頭を斜めに切り落とし、切り口をテンヤのヘッドに押し当てて、細いステンレス線をきつく巻いていく。テンヤはオモリと大針が一体の仕掛けですが、意外なことに針はエサに刺しません。イワシは軸の上のケン(小さな突起)と針金だけで留め、針先は空けたまま。そして号数は自分で選ぶものではなく、道糸が決めます——走水の教至丸や大津のいなの丸の規定は、PE1.5号以下なら40号・2号なら50号の連動指定。タックル、エサの調達、密巻き、誘いとアワセ、取り込み——東京湾の型で、最初の1匹を安全に針から外すところまで通します。大阪湾(頭付き・省力巻き・船支給)は流儀が対になっているので[大阪湾テンヤの記事](col-osakawan-tachiuo-tenya)へ。

ここだけ押さえる
  • テンヤはオモリ・大針・エサ台が一体の仕掛け。イワシをステン線で巻いて固定し、針はエサに刺さない(針先はフリー)
  • 号数は道糸連動の船指定。PE1.5号以下→40号/PE2号→50号(2号超は禁止)。金沢八景の一之瀬丸は40号統一・潮速の鴨居大室は50〜60号
  • エサは大羽マイワシ(20cm級)の頭を斜めカット。受付で購入(10尾500〜700円)か持参で、船上の追加購入は不可=持参なら釣りたい数の2〜3倍。サンマは全面禁止
  • 巻きは密巻き。切り口側を密→胴1〜1.5cm間隔→ゲイプ付近で再び密(見た目10回超)、全て身に食い込む強さで
  • 誘いはゆっくりただ巻き(1m≒10秒)とストップ&ゴー(50cm巻いて3秒止め)。8:2の先調子で即掛け
  • 時期はほぼ周年で、6〜9月の夏タチが数釣りの盛期。水深30〜60mなら手巻きの両軸でも成立する

イワシを背負うオモリの釣り

タチウオテンヤは、船長が魚探で見つけた群れの真上で、指示されたタナ(深さ)へテンヤを落とし、縦の誘いで食わせる釣りです。テンヤとはオモリ・大針・エサ台が一体になった仕掛けのことで、そこに冷凍イワシを巻き付けて「重くて沈む、エサでできた疑似餌」に仕立てます。

東京湾はこの釣りをほぼ周年楽しめる海で、盛期は6〜9月の夏タチ。釣り場は走水沖・観音崎沖・猿島沖・下浦沖など(船宿は走水・久里浜・金沢八景・浦安などの港から出ます)、水深は30〜60mが中心です。釣れるサイズは胴の幅を指の本数で数える単位で呼ばれます。

号数や型の選び方の全体像はテンヤ選びの記事、船と堤防を含めた釣法の見取り図は釣り方マップにあります。

東京湾の基本タックル

道具基準の値メモ
ロッドテンヤ専用1.8m前後・8:2の先調子(テンヤ負荷30〜60号)9:1=高活性の即掛け・7:3=低活性の乗せ。穂先はグラスソリッド=喰い込み重視・カーボンソリッド=感度重視。選び方は竿とリールの記事
リール小型電動(ダイワ200番/シマノ400〜600番)手巻きならカウンター付両軸+PE2号200m。水深100mを大きく超える豊後・沖縄の深場と違い、東京湾は手巻きでも成立
道糸PE1.5号か2号を200〜300m(10m×5色の色分け)白マーカーは噛み切られやすくブラックマーカー推奨(サンラインの解説)。号数はテンヤと連動(下の規定表)
リーダーフロロ8〜10号3m(弁天屋の指定例)喰い重視の細め派は6号2m(吉久)。大阪湾は16号1mと逆転=リーダーの記事
テンヤ40号(PE1.5号以下)か50号(PE2号)潮速の鴨居大室は50〜60号。細かい選び方(型・カラー・素材)はテンヤ選びの記事

各値は東京湾テンヤの一式に出典付きで収載。号数・道糸は乗る船の規定が最上位です(下の規定表)。

エサは受付で買う

東京湾のエサは大羽のマイワシ(20cm級)。受付での事前購入(10尾500〜700円)か持参が基本で、船上での追加購入はできません。弁天屋や吉久のように餌氷付の船もありますが例外側で、予約時に「エサは付くか」を確かめるのが確実です。持参するなら釣りたい数の2〜3倍が目安。

もうひとつ、東京湾で必ず覚えておくのがサンマの全面禁止。脂で船上が滑って危険なうえ、潮に流されてオマツリが増えるためで、他海域(大阪湾や豊後水道ではサンマも定番)の感覚で持ち込んではいけません。

持参イワシの持ちを良くする下ごしらえ(塩締めの型)は、大阪湾テンヤの記事の省力巻きの節にまとめています。

頭カット大羽イワシの密巻き

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    頭を斜めに切り落とす

    大羽イワシの頭を斜めにカットし、その切り口をテンヤヘッドの背にぴったり押し当てます。軸の上の二又ケン(突起)に刺して固定。大きめの個体は腹に切れ込みを入れて内臓を出す流儀もあります(弁天屋取材)。

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    背骨をハリ軸の真上に一直線

    横から見ても上から見ても、背骨が軸の真上にまっすぐ乗っている状態が正解です。曲がったり傾いたりすると水中でテンヤが傾き、アタリが減ります。投入のたびに姿勢を確かめます。なお40号テンヤに大羽を目一杯乗せるとボリューム過多になり、頭側を小さく整える調整が入ることもあります(一之瀬丸の実釣例)。

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    仮止めしてから、切り口側を密に

    テンヤ付属のステン線をヘッド付近の軸に5〜6回巻いて仮止めし、切り口側を身に食い込むまで強く巻きます(いなの丸取材の型)。「頭側を4〜5回、強く」とだけ教える解説もあり、共通項は頭側を密に強く。ふわりと浮いた飾りリングのような巻きは不可です。

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    胴は1〜1.5cm間隔、ゲイプ付近で再び密

    胴は1〜1.5cm間隔の粗巻きで進め、ゲイプ(針の間口)付近で再び密に巻いてから留めます。見た目10回超になる密巻きが東京湾の型。大阪湾の省力巻き(頭だけきつく・腹はほぼ巻かない)とは対照的です。

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    尾はフトコロの上から3〜5cm

    尻尾はフックのフトコロ(軸と針先のあいだ)の上を通して後方へ3〜5cm出します。長すぎると尻尾だけつつかれ、掛かりが悪くなります。そして大針はエサに刺しません。針先は腹側の下〜後方でフリーのまま——ここがテンヤという道具の設計です。

タナ取りと誘いの基本

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    指示ダナまで落とす

    船長がアナウンスするタナへテンヤを落とします。テンヤは重く一直線に沈むので、カウンター付きリールか道糸の色分け(10m×5色)でタナを合わせます。

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    基本はゆっくりただ巻き

    1mに10秒ほどかける、ゆっくりしたただ巻きが基本形です。アタリが出た巻き位置(タナ)を覚えておき、次の投入で再現します。

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    ストップ&ゴー

    50cm巻いて3秒止める、の反復。ただ巻きで反応がないときの次の一手です。

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    ワンピッチとリフト&フォール

    さらに反応が薄いときの引き出しです。東京湾のテンヤは落とし込みと巻き・誘い上げの縦の釣りが中心で、シャクってフォールで誘う大阪湾型とは操作の系統が別、という解説があります(大阪湾の実際の型は大阪湾テンヤの記事へ)。迷ったら船長に聞くのが早道です。

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    アタリは即掛け

    テンヤ竿が8:2〜9:1の先調子なのは、穂先でアタリを取って即座に掛けにいくためです。9:1=高活性の数釣り・7:3=低活性の乗せ、という調子の使い分けもこの延長にあります。

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    取り込みは素手厳禁

    アワセが決まったら緩めずにそのまま巻き上げます。船べりで抜き上げたら、タチウオを素手で掴むのは厳禁。フィッシュグリップで頭の後ろを押さえ、プライヤーかハリ外しで針を外します。歯対策の道具は仕掛けと同格の必需品です。

東京湾の船宿規定の実例

船宿テンヤ・道糸の指定エサ特記
教至丸(走水)PE1.5号以下→40号/PE2号→50号(2号超は禁止)イワシ10尾500円ワイヤーリーダー禁止も明記
いなの丸(大津)道糸1.5号→40号/2.0号→50号(2号以下厳守)イワシ10尾700円密巻きの取材元(つり人2記事)
一之瀬丸(金沢八景)テンヤ40号統一(浅場のみ30号可)・道糸2号以下(推奨1.5号)イワシ10尾650円(受付・船上追加不可)専用竿レンタル1,500円あり
弁天屋(金沢八景)テンヤ40・50号・PE1.5〜2号餌氷付リーダー8〜10号3mの指定
吉久(浦安)テンヤ50号・PE2号以下餌氷付リーダー6号2m・針1/0か2/0(細め・喰い重視)

同じ東京湾でも船宿ごとに規定の書き方が違います。予約の電話で聞くことは4つ——テンヤは何号か(道糸何号で乗るかを伝える)・PEは何号までか・エサは受付購入か持参か・ワイヤーやケミホタルは使えるか。ワイヤーの流儀はリーダーの記事へ。

いま買える適合テンヤ(東京湾40〜50号基準)

※ 一式ページと同じ条件でメーカーカタログと突合した適合品です(10/27時点)。同条件のシリーズが他に3件あります。全候補は一式ページ(東京湾)で比較できます。

よくある質問

テンヤは何号を何個そろえればいい?
まず乗る船に道糸の号数を伝えて確認するのが先です。東京湾は道糸連動(PE1.5号以下→40号/PE2号→50号)の船が代表的で、一之瀬丸のように40号統一の船、吉久のように50号固定の船、鴨居大室のように50〜60号の潮速エリアもあります。カラーはグロー(夜光)系と非グロー系を最低1色ずつ。型・カラー・素材の選び方はテンヤ選びの記事に委ねます。
手巻きリールではダメ?
水深30〜60mの東京湾なら、カウンター付の両軸にPE2号200mで成立します。それでも電動が推奨筆頭なのは、エサ替えとタナ探りで巻き上げ回数が多い釣りだからです。番手の読み方(ダイワ200番=シマノ600番)は竿とリールの記事へ。
イワシがすぐ崩れる・ズレるのはなぜ?
原因はほぼ3つ。第一に巻きの強さ: ステン線が身に食い込むまで締めます(浮いた巻きは飾りです)。第二に姿勢: 背骨がハリ軸の真上に一直線か、投入のたびに確認。第三にエサの状態: 生や解凍後の身はもともと柔らかいので、崩れてきたら気前よく交換を。持参派の下ごしらえ(塩締め)は大阪湾テンヤの記事の節へ。
大阪湾のテンヤと何が違う?
流儀がほぼ全部対になっています。号数=道糸連動(40か50) vs 40号統一。エサ=頭カットの大羽を密巻き vs 頭付きの小羽を省力巻き。調達=受付購入か持参 vs 船支給(おかわり自由の船も)。リーダー=8〜10号3m vs 16号1m。関西で乗るなら大阪湾テンヤの記事を読んでから行ってください。
道具は「一式」でまとめて揃います

ロッド・リール・道糸・テンビン/ビシ・クッション・仕掛け——この釣りに必要な装備は、号数や適合の条件が自動で揃う一式ページでまとめて確認できます。

▶ 東京湾の船タチウオテンヤ——頭カット大羽イワシの密巻きからの一式ページを見る(全候補から選ぶ)

最終更新: 2026-09-12 / 釣りスレッド 編集部