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タチウオテンヤの選び方——号数は海域で決まる

号数は船に聞くもの。あなたが選ぶのは型・カラー・素材

通販の検索窓に「タチウオテンヤ」と打つと、同じ顔をした魚頭型のオモリが10号から80号まで並びます。どれを買うか——実はこの号数、釣り人の好みで選ぶ数字ではほとんどありません。大阪湾は40号統一の船が主流、東京湾は道糸PE1.5号なら40号・2号なら50号という連動指定、博多湾の夏は10号、沖縄の深場は80号以上。つまり号数は、乗る海域が決まり、船に予約の電話を入れた時点でほぼ確定しています。ではテンヤ選びに自由はないのかというと、逆です。号数が決まっているからこそ、選ぶ余地は型(フックの数・半遊動か固定か)、カラー(グローか非グローか)、素材(鉛かタングステンか)に集中する。この記事は号数の決まり方を海域別に確かめたうえで、その「残された自由」の選び方を案内します。読み終わる頃には、最初に買う2個と足す順番が決まります。

ここだけ押さえる
  • 号数は海域と船が決める(値は下の早見表へ)。自分で選ぶ余地は号数でなく、型・カラー・素材にある
  • 買う前に船へ電話して「テンヤは何号統一か」を聞く。統一指定の目的はオマツリ軽減で、海域の相場より乗る船の規定が上位
  • フックはシングル1本針が標準。シングル指定を明文化した船(大阪湾・備後灘)があり、ダブルやアシストは船の可否確認が先
  • 留めは半遊動(ダイワAH)と固定(同ST)の2系。エサ巻きステン線は市販テンヤに標準付属で、替え線はΦ0.25mm・80cm×4組250円から
  • カラーはグロー(夜光)と非グローの2軸で最低各1色。東京湾は無夜光・ゼブラ優勢の傾向(信頼度は中)。後付け発光体禁止の船もある
  • TG(タングステン)の公式説明はヘッドの大幅コンパクト化と素早いフォール。ただし展開は40号のみ=40号指定の海域でだけ選択肢に入る

号数は誰が決めるのか

テンヤの号数を決める力は三つあります。第一に水深。博多湾は水深15〜20mの湾内をテンヤ10号で釣る夏のライトゲームで、沖縄は100〜260mの深場を80号以上で釣ります(60号に追加オモリ20号を足す組み方や、実釣で計120号に調整した例まであります)。両端だけ見れば、号数は水深の関数に見えます。

ところが第二の力、船の統一指定がこれを上書きします。水深80〜100mの大阪湾が40号統一で、より浅い東京湾(30〜60m)に50号や60号の指定があるのは、水深だけでは説明がつきません。隣と号数がひとつ違うだけで、軽い側の糸だけが潮下へ膨らみ、船じゅうのオマツリ(糸絡み)の火種になる——だから船が号数を揃えます。大阪湾では40号統一を明文化した船が主流です。

そして第三の力が道糸連動。東京湾では走水の教至丸と大津のいなの丸が、道糸PE1.5号以下ならテンヤ40号・PE2号なら50号と、道糸とテンヤをセットで規定しています。号数を先に買ってから道糸を巻くのではなく、道糸の号数で乗る枠が決まり、テンヤが従う順番です。

つまり号数は「海域の相場を調べ、乗る船に確認した時点で決まる」数字です。予約の電話で聞くことは二つ、テンヤは何号統一か・道糸PEは何号までか。そして残りの選択肢——型・カラー・素材——がこのあとの本題になります。エサの巻き方や誘いといった使い方は東京湾・大阪湾の釣り方記事、船と堤防を含めた釣法の全体像は釣り方マップへ。竿側の対応範囲(テンヤ負荷)は竿とリールの記事で扱います。

海域×号数の早見表

海域標準号数号数の決まり方道具一式
🗼東京湾40号か50号道糸PE連動の船指定(PE1.5号以下→40号・PE2号→50号)。金沢八景の一之瀬丸は40号統一(浅場のみ30号可)・潮速の鴨居大室は50〜60号東京湾テンヤ一式
大阪湾40号多数の船が統一指定を明文化(邦栄丸・ヤザワ渡船など)。水深80〜100mでも40号で揃える(明石海峡側は50号指定の船も)大阪湾テンヤ一式
伊勢湾・三河湾50〜60号忠栄丸は伊良湖沖50号統一(午後ショート便は40・50号可)。60号を使う場面が多いという入門解説も伊勢湾テンヤ一式
瀬戸内40〜50号(岡山30〜40号)備後灘のフィッシングキッタカは40号基本のシングル統一を明文化。松山50号は船宿由来・岡山30〜40号は単独出典=信頼度中瀬戸内テンヤ一式
豊後水道50号メイン(潮速で60号)水深130〜200m(実釣例は160〜230m)の深場。大型狙いに80号の製品もある(単独出典=信頼度中)豊後水道テンヤ一式
沖縄80号以上水深100〜260mの深場半夜。60号+追加オモリ20号の合算や、実釣で計120号に調整した例沖縄テンヤ一式
博多湾10号(風で15〜20号)水深15〜20mの湾内ライト。微風15号・強風なら20号以上と風で上げる。8号のライトテンヤの船も博多湾テンヤ一式

号数の根拠(船宿名・出典URL)は、リンク先の一式ページと本記事の出典欄に収載しています。ここに載る値は海域の相場で、乗る船の統一指定が常に最優先。東京湾の30号は浅場限定(一之瀬丸が「浅場のみ30号可」と明記)、大阪湾の30号(浅場)・50号(深場潮速)は解説系の単独出典=信頼度中です。号からグラムへの換算は書きません(当サイトは出典の単位=号のまま扱います)。

号数の次に見る型の軸

軸標準分かれ方と実例
フックの数シングル1本針シングル指定を明文化した船がある(大阪湾のヤザワ渡船=シングルフックの40号・備後灘のキッタカ=40号基本のシングル統一)。一方で瀬戸内はダブルフック主流という解説もあり(単独出典=信頼度中)、キッタカも浅場50〜70mはダブル可。同じ船でも場で変わる
アシスト(孫針)付けない(親針のみ)食い渋り対策に後付けでフッキング率を上げる解説がある(信頼度中)一方、キッタカは「使用ご遠慮」を明記。可否は船に聞いてから
ヘッド形状魚頭型丸・三角ヘッドのダート系はヤザワ渡船が使用禁止を明文化(理由=オマツリ軽減と絡み処理のしやすさ)。ダート系を買う前に船の規定確認
留め(半遊動/固定)2系が併売ダイワはAH=半遊動(公式説明=針が半遊動式で引き込みの力を分散)と、無印SS=固定(針交換の溝つき=AH系の針と交換できるHC構造)の2系。掛けた後のバラシにくさを取るなら半遊動、操作のダイレクトさなら固定という公式説明の分かれ方
エサ巻き線標準付属ダイワSS AHはソフトステン線100cm×2付属。替え線はΦ0.25mmステン線80cm×4組(250円)などの別売がある

船宿規定の「ワイヤー禁止」は道糸先端のワイヤーリーダーを指す文脈で、テンヤに標準付属するエサ巻きステン線とは別物です(ただし両者を区別して明文化した船宿規定は未発見=推論込みの整理)。リーダー側の東西の流儀と可否はリーダーの記事で扱います。

現行モデルの読み方(ダイワ・シマノ・ハヤブサ)

製品(型)号数展開留め持ち味(公式説明の範囲)
ダイワ 船タチウオテンヤSS(無印)10〜60号固定(針交換の溝つき)シリーズの基準。10・15・20号があり湾内ライト帯まで揃う
ダイワ 同 AH40号半遊動針が半遊動式で、引き込みの力を分散(公式)。エサ巻きソフトステン線付属・高貫通サクサスフック
ダイワ 同 TG40号のみ(6色)—タングステンでヘッドを大幅コンパクト化・素早いフォール(公式)。展開が40号だけの点に注意
ダイワ 同 Rhythm40〜60号固定シングルノーマルフック(公式)フック長3種(ショート/ミドル/ノーマル)を使い分ける系
シマノ サーベルマスター バレットテンヤ30〜80号(7色)—シリーズ唯一の80号まで。浅場の30号もこちら。早掛け版は30〜60号(8色)
シマノ 同 船テンヤ ゲキハヤ40・50号(6色)—貫きに特化した細軸フック。β(スリムヘッド)は40・50号5色
ハヤブサ 瞬貫 船太刀魚テンヤ40・50・60・80号—フッ素コートの瞬貫フック・上下首振り

号数展開・留めは当サイトが保持するメーカー公式カタログの実測(ダイワ=公式クロール2026-07・シマノ=公式HTML取得)に同期しています。「—」は留めの別を確認できなかった欄。旧型番(快適船タチウオテンヤSS AG等)は現行クロールに見当たらないため載せていません。ラインナップと色数は動くので、購入時に公式ページで再確認を。

グローと非グローの2軸

カラーは各社あわせて何十色も並びますが、選ぶ軸は二つだけです。グロー(夜光)か、非グローか。まずこの2軸で最低1色ずつ持ち、当日の反応で入れ替えるのが解説系に共通する型です(信頼度中)。

傾向には海域色があります。東京湾は無夜光・ゼブラ(部分発光)でアタリが多い傾向という解説があり(信頼度中)、非グローの人気どころは紫・赤金・イワシ。暗い時間帯や濁り潮ではグローやケイムラに分があるとされます。

もうひとつ、カラー選びに直結する船規定があります。大阪湾には後付けの発光体や飾りを禁止する船があり(邦栄丸=ケミホタル使用禁止・ヤザワ渡船=タコベイトやケミホタルなど飾り物一切禁止)、備後灘のキッタカも発光体禁止。こうした船では「光らせたければテンヤ本体のグローカラーで」が前提になります。集魚ライトやケミホタルは任意装備で、テンヤ自体のグロー/ケイムラで足りるという説が主流(信頼度中)。カラーを買い足すより先に、乗る船の光り物の可否を確かめてください。

いま買える適合テンヤ

※ 一式ページと同じ条件でメーカーカタログと突合した適合品です(10/27時点)。同条件のシリーズが他に3件あります。全候補は一式ページ(東京湾)で比較できます。

よくある質問

テンヤは最初に何個そろえればいい?
カラーの2軸(グロー系・非グロー系)を最低1色ずつ——この2個が下限です。そこへ予備を足し、複数個を持つのが定番の準備とされます。ただし号数を散らす前に船の指定確認が先。大阪湾の40号統一船なら号数は1種で足り、東京湾で40・50号を併記する船でも道糸のPE号数でどちらかに決まります。買い足すならまず号数でなくカラーから、が号数指定の釣りの筋です。
夜光と非夜光、どっちを買う?
どちらか一方ではなく両方です。グロー系と非グロー系を最低1色ずつ持ち、当日の反応で替えるのが出典共通の型。傾向は東京湾=無夜光・ゼブラ優勢(信頼度中)、暗い時間や濁り=グロー/ケイムラ、非グローの人気=紫・赤金・イワシ。なお大阪湾や備後灘には後付け発光体禁止の船があるため、発光はテンヤ本体のカラーで持たせるのが安全側です。
TG(タングステン)は要る?
必須ではありません。公式がTGの利点として言うのは、タングステンによるヘッドの大幅コンパクト化と素早いフォール。そして展開は40号のみなので、40号指定の海域(大阪湾や、東京湾のPE1.5号運用)でだけ選択肢に入ります。まず標準モデル(AHか無印SS)で始めて、深場や速潮でフォールの遅さに不満が出てからの上積み——というのが公式説明の範囲で言える位置づけです。
ダブルフックやアシストフックは使っていい?
船によります。シングル指定を明文化した船(大阪湾のヤザワ渡船、備後灘のキッタカ=40号基本のシングル統一)がある一方、瀬戸内はダブルフック主流という解説(単独出典=信頼度中)があり、キッタカ自身も浅場50〜70mはダブル可としています。アシスト(孫針)にはフッキング率を上げる後付けの解説(信頼度中)がありますが、キッタカは使用をご遠慮と明記。答えは製品側でなく船の規定にあります。予約の電話で号数と一緒に、フックの本数とアシストの可否も聞いてください。
このテンヤは「一式」の中の1スロットです

ロッド・道糸・テンビン…と組み合わせて初めて釣りになります。号数や適合は条件が自動で揃う一式ページでまとめて確認できます。

▶ タチウオテンヤの選び方——号数は海域で決まるの一式ページを見る(全候補から選ぶ)

エリア別の一式: 豊後水道・博多湾・伊勢湾・三河湾・大阪湾・瀬戸内

参考にした情報源

最終更新: 2026-09-06 / 釣りスレッド 編集部