🐟釣りの「号」は何グラムか——号が指すものは品目で4つに分かれる
オモリの号だけが重さ。エギは長さ、ラインは太さ、針は番手
「テンヤ15号って何グラム?」——釣具の表記でいちばん厄介なのが「号」です。オモリもラインもエギも針も、ぜんぶ号で書かれているのに、指しているものがまるで違う。号が重さを表すのはオモリ系だけで、エギの号は長さ、ラインの号は太さ、針の号は番手です。ここでは1号=3.75gの換算表を先に置き、そのうえで「その号は何の号なのか」を自社カタログの実測で切り分けます。
- 重さの号は1号=3.75g(尺貫法の1匁)。テンヤ15号=56.25g、10号=37.5g、8号=30g
- エギの号は長さ。3.5号=実測105〜107.5mm。同じ3.5号でも重さは19〜27gと幅がある
- ラインの号は太さで、直径=0.165×√号。2号は1号の2倍ではなく約1.41倍
- 針の号は番手。針型ごとに基準が違い、共通の換算式は存在しない
- 竿の「錘負荷80号」は背負えるオモリの重さ=300gという意味
- 同じ「15号」でも、テンヤなら56g・エギなら無い・ラインなら直径0.64mm相当——品目を見ないと換算できない
先に結論——「号」は4つの別々の物差し
釣具の「号」は、ひとつの単位ではありません。品目によって、まったく別のものを測っています。
重さの号(オモリ・テンヤ・スッテ・カゴ)は尺貫法の匁で、1号=3.75g。これだけがグラムに換算できます。長さの号(エギ・餌木)は寸で、1号=約3cm。太さの号(道糸・ハリス)は直径の尺度で、1号=0.165mm。番手の号(針)は針型ごとの通し番号で、共通の基準がありません。
だから「15号は何グラム?」という問いには、その15号が何の15号かを決めないと答えられません。テンヤの15号なら56.25gですが、エギに15号は存在せず、ラインの15号なら直径0.64mm相当の太さです。以下、それぞれをうちのカタログの実測で確かめていきます。
号→グラム早見表(オモリ・テンヤ・スッテ・カゴ)
| 号 | 重さ | 使われる場面 |
|---|---|---|
| 1号 | 3.75g | |
| 2号 | 7.5g | |
| 3号 | 11.25g | 堤防サビキのオモリ/カワハギ胴突き(3〜6号) |
| 4号 | 15g | |
| 5号 | 18.75g | |
| 6号 | 22.5g | タコエギ(6号)/アマダイのひとつテンヤ下限 |
| 8号 | 30g | 投げサビキのカゴ/シロギスのちょい投げ(8〜12号) |
| 10号 | 37.5g | マダコのテンヤ(10〜20号) |
| 12号 | 45g | |
| 15号 | 56.25g | マダイのひとつテンヤ上限(外房=3〜15号) |
| 20号 | 75g | マダコのテンヤ上限 |
| 25号 | 93.75g | |
| 30号 | 112.5g | LTアジのビシ下限(東京湾30〜40号)/タチウオテンヤ下限(東京湾30〜60号) |
| 40号 | 150g | LTアジのビシ上限/イサキのコマセ(関東40〜60号) |
| 50号 | 187.5g | 深場タチウオテンヤ下限(豊後水道50〜80号) |
| 60号 | 225g | タチウオテンヤ上限(東京湾)/イサキのコマセ上限 |
| 80号 | 300g | ビシアジ(相模湾・走水80〜150号)/深場タチウオテンヤ上限 |
| 100号 | 375g | アジのコマセ上限(伊勢湾・三河湾60〜100号) |
| 120号 | 450g | イサキのコマセ上限(関西・西日本30〜120号) |
| 150号 | 562.5g | ビシアジ上限(相模湾・走水) |
1号=3.75g(尺貫法の1匁)。号の数字に3.75を掛けるだけです。うちのカタログでオモリ系の「号数」と「重さ(g)」を両方持つ変種74件で実測したところ、g/号の中央値はちょうど3.750でした。たとえばヤマシタ「錘スッテ 15号」は公称56g(理論値56.25g)。ただし一部に、号の欄へグラム値をそのまま書いている製品もあります(『ワカサギ時短オモリ 3.5号=3.5g』等)。桁が合わないと感じたら、それは号ではなくgの表記です。
テンヤ8号・10号は何グラム——30gと37.5g
8号=30g、10号=37.5gです。マダイのひとつテンヤ(外房3〜15号)の主力がこの帯で、潮が緩ければ8号、速くなったら10号→12号(45g)と刻みを上げていきます。マダコのテンヤ(10〜20号)、シロギスのちょい投げ(8〜12号=30〜45g)、投げサビキのカゴ(8号前後)もここです。
ひとつ注意したいのは「8号のカゴ」を手に取ったときの重さ。ダイワ「ジェットライナーカゴ遠投」の8号は公称自重55〜61gで、号の換算値30gの2倍近くあります。号が指すのはオモリ分で、自重欄にはカゴや天秤まで含めた総重量が載るためです。竿にどれだけ負荷が掛かるかは、換算値ではなく総重量の側で見てください。
15号の重さ——3社の公称がそろって56g
15号は56.25g(15×3.75)です。この号は実物の公称値できれいに裏が取れます。うちのカタログでは、ヤマシタ「錘スッテ 15号」・ダイワ「エメラルダス イカメタルスッテ TG15号」・シマノ「セフィア コロコロスッテ 15号」がいずれも公称56g。メーカーが違っても、匁由来の同じ物差しで作られていることが数字に出ています。
釣りものでは、外房のマダイひとつテンヤの上限(3〜15号)がこの重さです。同じ56gへ、テンヤはひと粒の鉛で、スッテは細長い錘胴で到達する——形が違っても号は共通、というのがこの単位の便利なところです。
30号・40号・50号の重さ——112.5g・150g・187.5g
30号=112.5g、40号=150g、50号=187.5g。船宿の指定号数がいちばん集中する帯です。東京湾のLTアジのビシが30〜40号、タチウオテンヤが30〜60号、関東のイサキのコマセが40〜60号、豊後水道の深場タチウオテンヤは50号から。同じ40号でも「ビシの40号」と「テンヤの40号」は道具がまったく別で、共通なのは換算(×3.75)だけです。
この帯のタチウオテンヤには、号の欄へグラム値をそのまま書く製品が混ざります(後述の「見分け方」ステップ3)。「40号」なのに公称40g前後なら、それは号ではなくgの表記です。
60号は何グラム——225g
60号は225g(60×3.75)です。関東のイサキのコマセ(40〜60号)と東京湾のタチウオテンヤ(30〜60号)の上限がここ。この号のあたりを境に、手持ちで誘い続ける釣りから、竿掛けと電動リールを前提にした釣りへ道具立てが変わっていきます。竿のスペックで「錘負荷60号」とあれば、225gまで背負える竿という意味です。
80号は何グラム——300g
80号は300gちょうど(80×3.75)です。関東の船釣りの指定がここに集まります。東京湾のコマセマダイの標準ビシが50〜80号、相模湾・走水のビシアジが80〜150号、豊後水道の深場タチウオテンヤの上限も80号。「錘負荷80号」の竿=300gを背負える竿、という読み替えもこの換算のままです。
実際の負荷は300gでは収まりません。ビシにコマセを詰めれば総重量はさらに増えるので、錘負荷の上限ちょうどの竿より、ひと回り余裕のある竿が扱いやすくなります。
100号・120号・150号の重さ——375g・450g・562.5g
100号=375g、120号=450g、150号=562.5gです。伊勢湾・三河湾のアジのコマセが60〜100号、関西・西日本のイサキが30〜120号、そして走水のビシアジ上限が150号。562.5gは500mlのペットボトル1本より重い鉛で、電動リールと専用竿が前提の世界です。
この帯は船宿の指定が最優先。換算値の出番は「その重さを背負える竿か(錘負荷)」を確かめるときです。
グラム→号の逆引き——30gは8号
| グラム | 号に直すと | 買うときに近い号 |
|---|---|---|
| 30g | 8号ちょうど | 8号(30g) |
| 40g | 約10.7号 | 10号(37.5g)か12号(45g) |
| 56g | 約14.9号 | 15号(56.25g) |
| 60g | 16号ちょうど | 16号(60g)。15号(56.25g)でも実用差はわずか |
| 100g | 約26.7号 | 25号(93.75g)か30号(112.5g) |
| 150g | 40号ちょうど | 40号(150g) |
| 200g | 約53.3号 | 50号(187.5g) |
| 300g | 80号ちょうど | 80号(300g) |
号=グラム÷3.75。ジグやタイラバのようにg表記の道具から号の世界へ持ち込むときはこの逆算です。割り切れない値は、隣の号に寄せて船宿の指定と突き合わせてください。
エギの号は長さ——同じ号でも重さは揃わない
| 号 | 全長(実測) | 重さ(実測の幅) | 本数 |
|---|---|---|---|
| 2.5号 | 75〜79mm | 10〜12g | 13 |
| 3号 | 90〜95mm | 14.5〜21g | 36 |
| 3.5号 | 105〜107.5mm | 19〜27g | 41 |
| 4号 | 120mm | 24〜26g | 2 |
うちのカタログのエギ92変種で実測。mm/号の中央値は30.7=1号がほぼ3cm(尺貫法の1寸=3.03cm)で、号がそのまま長さを表しています。注目したいのは重さで、同じ3.5号でも19〜27gと8gの開きがあること。シャローかディープか、ノーマルかスリムかで沈下速度を変えているためです。つまりエギは「号で長さを選び、タイプで重さを選ぶ」道具で、号からグラムは決まりません。
ラインの号は太さ——2号は1号の2倍ではない
| 号 | 直径(実測) | 1号の何倍の太さか |
|---|---|---|
| 0.4号 | 0.104mm | 0.63倍 |
| 0.6号 | 0.128mm | 0.78倍 |
| 0.8号 | 0.148mm | 0.90倍 |
| 1号 | 0.165mm | 1.00倍 |
| 1.5号 | 0.205mm | 1.24倍 |
| 2号 | 0.235mm | 1.42倍 |
| 3号 | 0.285mm | 1.73倍 |
| 4号 | 0.330mm | 2.00倍 |
| 5号 | 0.370mm | 2.24倍 |
| 6号 | 0.405mm | 2.45倍 |
直径=0.165×√号。うちのカタログの線径付き27種(0.15号〜7号)で検算したところ、実測との差は最大2.9%、中央値では0.2%しかズレません。式が平方根なのは、号がもともと太さではなく断面積(重さ)の尺度だから。だから2号は1号の2倍の太さではなく約1.41倍で、直径が2倍になるのは4号です。号を倍にすると強度はおよそ倍、太さは1.41倍——この感覚が号数選びの勘所になります。
4つの「号」を並べて見る
| 何を測っているか | 換算できるか | |
|---|---|---|
| オモリ・テンヤ・スッテ・カゴ | 重さ(尺貫法の匁) | できる。1号=3.75g |
| エギ・餌木 | 長さ(尺貫法の寸) | 長さは可(1号≒3cm)。重さは不可(同じ号で幅がある) |
| 道糸・ハリス | 太さ(直径の尺度) | できる。直径=0.165×√号 |
| 針 | 番手(針型ごとの通し番号) | できない。針型が違えば同じ号でも別物 |
| 竿の錘負荷・テンヤ負荷 | 背負える重さの範囲 | できる。オモリの号と同じ=×3.75g |
針の号だけは換算表を作れない
4つのうち、針の号だけは換算表が作れません。針の号は針型ごとの通し番号で、伊勢尼の8号とチヌの8号とマダイの8号は、同じ数字でも大きさが違うからです。基準となる長さや重さの定義が針型ごとに独立しているため、「◯号=◯mm」という共通の対応表が原理的に存在しません。
うちのカタログでもこれは裏付けられています。針・バラ針・糸付針あわせて1,507製品に号数は付いていますが、号と全長mmを両方持っている変種は0件でした。メーカー自身が「号=◯mm」という形では公開していない、ということです。針を選ぶときは号数だけを見ず、針型(伊勢尼・チヌ・マダイ・袖…)とセットで見てください。針型が同じなら、号が大きいほど大きい針です。
竿に書いてある「錘負荷80号」の意味
竿のスペック表にある錘負荷(オモリ負荷)は、その竿が背負えるオモリの重さの範囲です。単位はオモリと同じ号なので、3.75を掛ければグラムになります。「錘負荷80号」なら300g、「40〜100号」なら150〜375gまで、という意味です。
うちがタグ付けしている竿のスペックでは、錘負荷の宣言は1,094変種にあり、範囲は最大で800号(=3,000g)まで。テンヤ専用の竿にはテンヤ負荷(号)という別の列があり、63変種で1〜100号(=3.75〜375g)が宣言されています。ダイワ「紅牙テンヤゲーム」がテンヤ負荷1〜15号、「極鋭タチウオテンヤ」がテンヤ負荷30〜60号といった具合で、同じ『テンヤ』でもマダイとタチウオでは10倍以上違う。号数だけを見て竿を選ぶと、この差で外します。
なお、この号は竿の硬さの記号(L/ML/M/MH/H)とは別系統です。ft表記のルアーロッドは硬さ記号、m表記の船竿は錘負荷の号——という住み分けについてはロッドの長さ表記の話と◯フィートは何m・どの釣りの竿かに書きました。
その号が何の号かを見分ける(3ステップ)
- 1まず品目を確定する
号の数字を読む前に、それがオモリ系かエギか糸か針かを決めます。ここを飛ばすと換算そのものが成立しません。商品名に『テンヤ』『オモリ』『スッテ』『カゴ』が入っていれば重さの号です。
- 2重さの号なら3.75を掛ける
オモリ系と確定したら、あとは掛け算です。10号=37.5g、15号=56.25g、30号=112.5g、80号=300g。暗算するなら『4倍して少し引く』(10号→40g弱)で十分実用になります。
- 3桁が合わなければ号ではなくgを疑う
『3.5号=3.5g』のように3.75倍の関係になっていない製品は、メーカーが号の欄にグラム値を書いています。タチウオテンヤやワカサギ用の小物に散見されます。表記を鵜呑みにせず、実重量の記載を優先してください。
よくある質問
- テンヤ15号は何グラムですか?
- 56.25gです(15×3.75)。メーカーの実測表記もこれとほぼ一致し、たとえばヤマシタ「錘スッテ 15号」は公称56gです。テンヤ8号なら30g、10号なら37.5g、12号なら45g。マダイのひとつテンヤで使う3〜15号はおおむね11〜56gの範囲に収まります。
- テンヤ10号と8号では、どのくらい違いますか?
- 10号=37.5g、8号=30gなので、差は7.5gです。号ひとつで3.75g刻みなので、2号違うと約7.5g=重さで25%の差。潮の速さや水深に合わせてこの刻みで上下させるのが基本です。号数が上がるほど1号あたりの体感差は小さくなります(30号と32号の差は割合では小さい)。
- 「鉛負荷」「錘負荷」とは何ですか?
- 竿が背負えるオモリの重さの範囲です。単位はオモリと同じ号なので、3.75倍すればグラムになります。「錘負荷40〜100号」なら150〜375g。上限を超えると竿が折れる危険があり、下限を下回ると竿が曲がらず操作感が出ません。うちのデータでは錘負荷の宣言は最大800号(3,000g)まであります。
- エギ3.5号は何グラムですか?
- 号からは決まりません。3.5号は長さの表記で、実測105〜107.5mm。重さは同じ3.5号でも19〜27gと幅があり、シャロー・ノーマル・ディープといったタイプで沈下速度を変えているためです。重さを知りたいときは、号数ではなく製品ごとの自重表記を見てください。
- PE1号は何ミリですか?
- 号の標準では1号=0.165mmです。直径は0.165×√号で計算でき、2号なら0.235mm、4号なら0.330mm。ただしPEは編み糸なので、同じ号でも編み本数や製法で実寸に差が出ます。号は太さの目安であって、断面が正円の単線を測った値ではない点に注意してください。
ロッド・道糸・テンビン…と組み合わせて初めて釣りになります。号数や適合は条件が自動で揃う一式ページでまとめて確認できます。
▶ 外房のマダイ(ひとつテンヤ)一式を見る(全候補から選ぶ)ほかの一式: 東京湾(コマセ)
参考にした情報源
- fishing-threads 編集部によるカタログ実測(自社データ)(オモリ系で号数と重さ(g)を両方持つ74変種のg/号中央値=3.750。エギ92変種でmm/号中央値=30.7。線径付きライン27種で直径=0.165×√号との最大差2.9%。針・バラ針・糸付針1,507製品で号と全長mmを両方持つ変種は0件。竿の錘負荷宣言1,094変種・テンヤ負荷63変種。集計日2026-08-03。追記2026-08-29: 15号はヤマシタ錘スッテ・ダイワ エメラルダスイカメタルスッテTG・シマノ セフィア コロコロスッテの3社とも公称56g。ダイワ ジェットライナーカゴ遠投8号の公称自重は55〜61g(オモリ換算30gとの差=カゴ・天秤分)。)
- ヤマシタ 錘スッテ 公式製品ページ(15号の重さを56gと明記。1号=3.75gの理論値56.25gと一致し、号がそのまま匁であることを示す実例。)
- 釣りの長さの単位を完全解説(サク釣り)(尺貫法とメートル法の関係を解説。1匁=3.75g、1寸=約3.03cmという釣具表記の土台を確認。)
- 釣り竿の長さの単位はややこしい?(TSURINEWS)(尺・寸・号など日本の釣具に残る尺貫法由来の表記を整理。船竿がメートルと号で語られる背景を確認。)
最終更新: 2026-08-29 / 釣りスレッド 編集部