🪣🐟コマセ真鯛のテンビン・ビシの選び方
標準は80号のFL/L×腕長50cm。コマセの出方で差がつく

予約の電話で船宿に確認されるのが「ビシは80号をお持ちですか」。関東のコマセマダイはビシ80号で統一されていて、号数に選択の余地はありません。それでも釣具店の棚には、FLにL、プラビシにステン缶、ストレートに弓型と、選ぶものがずらりと並びます。号数以外の全部が、あなたの選びどころ。ちなみに主流サイズ「FL」のFは船宿の「フ」——船宿の要望から生まれた細身サイズが、いまや関東の標準になっています。
- 号数は船宿・海域が決める。関東80号/駿河湾・上越80〜100号/LT40号
- サイズはFLまたはL。FLはLより細身で潮に流されにくく、沈みが速い
- 神奈川の規制は外径5.5cm・長さ16cm以下(≒Lサイズ)・コマセ3kg以内
- コマセの出は上窓1/3〜半開・下の隙間1cm弱・詰めは8分目が定石
- テンビンは片テンビン腕長50cmが標準。長いほど絡みにくい
- ストレート=食い込み/弓型=自動アワセ。性格で選ぶ
ビシは「オモリ+コマセ袋+タナの基準」
ビシはコマセを詰めるカゴとオモリが一体になった道具で、仕事は3つあります。仕掛けを沈めるオモリ、コマセをまく袋、そして船中全員のタナを揃える基準。全員が同じ号数(=同じ沈下速度)だから、船長の「タナ52m」が全員に通じ、オマツリも減ります。号数を勝手に変えられないのはこのためです。
だから選ぶのは号数ではなく、その先。サイズ(FL/L)、素材(プラビシかステン缶か)、コマセの出方の調整機構、そしてビシを背負うテンビンの腕長と形——ここで手返しと食わせに差がつきます。
サイズはFLかL——FLの「F」は船宿のフ
| サイズ | 特徴 | コマセ真鯛での出番 |
|---|---|---|
| FL | Lより細身。潮に流されにくく、タナまで速く沈む | 東京湾の主流(FL/M)。相模湾では深場・潮が速い日に |
| L | 標準型。容量に余裕 | 相模湾の標準(庄三郎丸指定)・南房・上越(MDビシL) |
| M | ひと回り小さい | 東京湾で使う人も。浅場・食い渋りの少量まき |
FLはサニー商事の造語で、Fは船宿の「フ」。もともとLとBIGの2サイズだったところへ「Lより細身が欲しい」という船宿の要望で生まれ、のちに一般販売されました。コマセ3kg規制(神奈川・東京湾内)に合うサイズとして定着し、マダイはFL80号、イサキ五目はFL60号が多用されます。
神奈川県の遊漁ルールでは、まき餌かごは外径5.5cm以下・まき餌収納部の長さ16cm以下・1仕掛けにつき1個と定められています(≒Lサイズが上限)。静岡県もまき餌かごはLサイズ以内。オキアミコマセは神奈川・東京湾内とも3kg以内です。「Lサイズ以下」「80号統一」といった船宿の指定はこの規制が背景にあるので、出船前に必ず確認を。
プラビシとステン缶、どっちを買う?
| プラビシ(サニービシ等) | ステン缶(テッカメン等) | |
|---|---|---|
| 構造 | プラスチックのカゴ+オモリ | ステンレスの缶+側面の放出穴 |
| コマセの出の調整 | 上窓+下の隙間をネジで無段階調整 | 穴を留め栓で塞ぐか開けるかの二択 |
| 性格 | 出方を細かく作り込める | 調整で迷わない。初心者向けと案内する船宿も |
| シャクリの抵抗 | カゴ形状のぶんやや受ける | 側面がフラットで抵抗が少ない |
| サビ | 錆びない | 金属なので手入れが要る |
| 定番 | サニービシ FL/L | テッカメン・ワンタッチ缶 |
全国的な定番はプラビシで、相模湾の庄三郎丸は「サニービシ80号」を仕掛け図に明記しています。一方、新潟・上越のこうゆう丸はステンカン(テッカメン)を「側面の穴からオキアミが出る、初心者向き」と案内し、プラビシと並記。どちらでも釣りは成立するので、乗る船宿の指定・貸しビシと同じ型から入るのが一番迷いません。
コマセの出は「上1/3・下1cm・8分目」
プラビシの上窓は海水の取り入れ口で、1/3〜半開が基本。広げるほど水が流れ込み、コマセがよく出ます。下の隙間が放出口で、オキアミ1匹が横に寝てこぼれ出る1cm弱が目安。カゴ上部のネジで調整でき、右に回すと狭く、左で広くなります。
そして意外と大事なのが詰め方。コマセは半分〜8分目にとどめ、パンパンに詰めない——詰めすぎは「振ってもコマセが出ない」定番の原因です。波が高い日や硬めの竿では、勝手に出すぎるぶん上下とも閉め気味に。ビシの中の状態は海の上では見えないので、この定石から入って、回収ごとの残り具合で微調整していきます。
テンビンは腕長50cmが基準
| 腕長 | 線径の目安 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 40〜50cm | Φ1.2〜1.5mm | 標準。感度と取り回しのバランス(庄三郎丸40〜50cm・こうゆう丸50cm) |
| 60〜70cm | Φ1.6〜2.0mm | 長ハリスの投入絡み・オマツリ対策に長め派も |
腕が長いほど投入時に道糸とハリスが絡みにくくなります(ORETSURIは50〜70cm推奨)。市販品は腕が長いほど線径も太くなる設計(例:快適天秤アーチは1.2mm-25cm〜2.0mm-50cm)。東京湾の標準は50cm、南房の実釣例は45〜60cmです。
ストレートか、弓型か
| ストレート(L字) | 弓型(アーチ) | |
|---|---|---|
| 線材 | 軟らかい | 硬い |
| 魚が引くと | 腕が曲がり込んで違和感を与えない | いったん伸びて戻る反動で自動アワセ |
| 持ち味 | 食い込みと感度 | 仕掛けを踊らせる高アピール・口切れ軽減 |
| 代表製品 | 快適天秤スピード/マルチ | 快適天秤アーチ・船テンビンK型(ゆるやか弓角) |
ダイワの快適天秤は3タイプの使い分けが公式に明快です。スピードはアームの根元が可動式で、水の抵抗に応じて角度が変わる高感度型——アワセが効きやすく回収も速い。マルチはクッション効果で違和感と仕掛け絡みを抑える低活性向き。アーチは弓のバネで仕掛けを大きく踊らせつつ、食い込みを妨げず口切れ・バラシを軽減します。置き竿で乗せる関東のコマセマダイなら、まず弓型(アーチ)か食い込み系から。どれも実売千円前後なので、性格違いを2本持って使い分けるのも現実的です。
エリアで号数は変わる(コマセ真鯛の5エリア・標準スタイル)
| エリア | 道糸PE | ハリス | クッション | ビシ | 一式ページ |
|---|---|---|---|---|---|
| 🗼東京湾 | 3号 | フロロ3.5〜4号 8〜10m | φ1.5mm×1m | 80号 | 見る |
| 相模湾 | 3号 | 3〜4号 6〜10m | φ1.5〜2mm×1m | 80号 | 見る |
| 南房・内房 | 3号 | 6号+4号テーパー 10m | φ2mm×1m | 80号 | 見る |
| 🗻静岡・駿河湾 | 4〜5号 | 3〜4号 8m | φ2mm×1m(1.5mmも) | 80〜100号 | 見る |
| 新潟・上越 | 4号(3号可) | 4〜5号 12〜15m(時期別) | φ1.5mm×1m | 80〜100号(冬) | 見る |
関東3エリアはPE3号・ビシ80号で完全統一。静岡・駿河湾と新潟・上越は号数が上がり、リールも一回り大きめ(ダイワ400番クラス)が安心です。ハリスとクッションは各エリアの船宿仕掛け図・実釣記事の標準値(テーパー=元側+先側の2段ハリス)。括弧は定義出典が明記する併記のみ(上越=船宿公式が3号可と明記)。このほか東京湾にはLTマダイ(ビシ40号・PE1.5〜2号・専用乗合の別スタイル)があります → LTの一式
コマセ真鯛が成立する海域は全国でこの5つ。関東(東京湾・相模湾・南房内房)はPE3号・ビシ80号で揃いますが、静岡・駿河湾と新潟・上越は潮や水深の関係で号数が太くなります。遠征するなら、行く海域の号数に合う糸巻き量(=番手)かを必ず確認しましょう。
逆に、同じ真鯛でも釣り方が変わる地域もあります。九州(玄界灘・五島)や関西・瀬戸内(明石・鳴門)はタイラバやジギングが主流で、コマセ真鯛はほとんど行われません。外房・大原や常磐・鹿島はひとつテンヤの本場。つまりコマセ真鯛は「関東〜東海+新潟上越」の釣り。それ以外の海域に行くなら、電動リールではなくタイラバ用やテンヤ用のタックルを用意することになります。
ビシ(コマセカゴ)は号数(重さ)より「サイズ(外径・長さ)」とコマセ量の規制が主です。神奈川県はカゴLサイズ以下・オキアミ3kg以内、東京湾内はコマセ3kg以内など、海域・県・船宿で異なり改定もあります。「ビシ80号統一」といった取り決めも多いので、必ず出船前に船宿へ確認しましょう。
号数はエリアで固定(関東80号/駿河湾は沼津・三保80号で御前崎100号/上越は基本80号・12〜2月の深場100号)ですが、サイズと素材は船宿単位で変わります。相模湾・庄三郎丸はサニービシ80号L(深場や潮の速い日はFL)、上越・こうゆう丸はテッカメンかMDビシLを指定。東京湾のLTマダイは40号の別世界で、棒面丸の実釣ではMDライトビシ40が使われています。→ LTの一式
売り場で決める順はこの4つ
- 1号数=船宿に聞く
関東は80号、駿河湾・上越は80〜100号、LTは40号。ここは選択ではなく確認。予備を含め同じ号数を2個持つと安心です。
- 2サイズ=FLかL
東京湾はFL(またはM)、相模湾・南房・上越はLが基準。神奈川・静岡のLサイズ以内規制の範囲で。
- 3素材と出方=プラかステンか
細かく調整したいならプラビシ(サニービシ系)、迷いたくないならステン缶。船宿の貸しビシと同じ型が無難。
- 4テンビン=50cm・スナップ付き
腕長50cm前後・線径1.5mm前後が標準。スナップ付き(快適天秤のデカスナップ等)だとビシ・仕掛けの交換が速い。
この釣りに合うテンビン
弓のバネで仕掛けを踊らせつつ食い込みを妨げない公式うたいの弓型。80号ビシ×腕長50cmの関東標準にそのまま合う最大サイズ。
楽天で見るスピードはアーム根元可動の高感度型でアワセ・回収が速い。マルチは違和感と絡みを抑える食い渋り用。性格違いの2本目に。
楽天で見る
ゆるやかな弓角形状で水の抵抗が少なく、オモリ取り付け部のサルカンが回転してカゴ絡みを解消。60〜70cmの長め派もこのシリーズで揃う。
楽天で見るいま買える適合テンビン
※ 一式ページと同じ条件でメーカーカタログと突合した適合品です(7/5時点)。同条件のシリーズが他に2件あります。全候補は一式ページ(東京湾)で比較できます。
この釣りに合うビシ
庄三郎丸の仕掛け図に名指しされる定番。上窓+下の隙間のネジ調整でコマセの出を作り込める。まず1個ならこれ。
楽天で見る久里浜沖のDAIWAテスター実釣で使われた型。替えカセット(2,750円〜)を用意しておけばバケツに手を入れずに次弾装填でき、手返しが別物になる。
楽天で見る上越・こうゆう丸の仕掛け図が「MDビシL」と名指しする標準型。L-80で関東〜上越まで、Big-100で冬の深場までカバー。
楽天で見る
LT五目専用設計で、大きくしゃくらなくてもコマセがポロポロ出る。LTマダイはビシ40号が前提(棒面丸の実釣はMDライトビシ40)——標準の80号とは別に用意する。
楽天で見るいま買える適合ビシ(80号)
※ 一式ページと同じ条件でメーカーカタログと突合した適合品です(7/5時点)。全候補は一式ページ(東京湾)で比較できます。
使ったら、お湯で洗う
ビシとテンビンはコマセと海水をまとめて浴びる道具です。釣行後はぬるま湯で塩分・コマセ・鱗まで丁寧に落とすこと——カゴ類は洗い残すと錆びます。ステン缶やテンビンの金属部には錆止めを塗っておくと持ちが違います。網目に詰まったオキアミをそのままにすると、次回「出ないビシ」になって釣果に直結するので、ここだけは面倒がらずに。
号数は船が決める。サイズと出方、テンビンの形はあなたが決める——それがコマセマダイのビシ・テンビン選びです。FL80号のビシと50cmのテンビンを揃えれば「まく側」の装備は完成。あとはコマセの出を定石どおりに整えて、船長の指示ダナへ届けるだけです。
よくある質問
- FLとL、どっちを買えばいい?
- 東京湾はFL(またはM)が主流、相模湾はLが標準で深場・潮の速い日にFL、南房はL/FL両方の実例があります。乗る船宿に聞くのが最短。1個だけならFL80号が細身で潰しが効きます。
- 80号以外も必要?
- 通う海域次第です。関東の標準スタイルは80号だけで完結。駿河湾の御前崎沖や上越の冬の深場を見るなら100号を追加。LTマダイは40号でタックルごと別物です。
- プラビシとステン缶、最初はどっち?
- 全国的な定番はプラビシ(サニービシ系)で、調整の幅が広いのが強み。ステン缶(テッカメン)は穴を栓で塞ぐだけの二択調整で迷わず、上越のように船宿が初心者向けに案内する例もあります。貸しビシと同じ型から入るのが無難です。
- コマセが全然出ていない気がする
- 定番の原因は詰めすぎです。コマセは半分〜8分目にとどめ、下の隙間はオキアミ1匹が通る1cm弱、上窓は1/3〜半開に。それでも出なければ網目の詰まりを疑ってください。
- テンビンの腕は長いほうがいい?
- 投入時の絡みにくさなら長め(60〜70cm)が有利ですが、標準は50cmで感度・取り回しとのバランスが良好です。8m超の長ハリスで絡みに悩んでいるなら、まず腕長を10cm伸ばしてみる価値があります。
ロッド・道糸・テンビン…と組み合わせて初めて釣りになります。号数や適合は条件が自動で揃う一式ページでまとめて確認できます。
▶ コマセ真鯛のテンビン・ビシの選び方の一式ページを見る(全候補から選ぶ)関連記事(コマセマダイの選び方・釣り方)
釣り方コマセ真鯛の釣り方・入門タナ取りで釣果が9割決まる。海面からの指示ダナを正確に
クッションゴムコマセ真鯛のクッションゴムの選び方標準はφ1.5mm×1m。太さは適合ハリス表で決める
完成仕掛けコマセ真鯛の仕掛けの選び方(ハリス号数・針)標準はフロロ4号・全長8m・針8〜9号。号数と長さは海域で変わる
電動リールコマセ真鯛の電動リールの選び方PE3号200m以上を巻ける小型電動が基準
エリア東京湾の真鯛釣り(八景沖/剣崎沖/久里浜/走水)都心から30分・周年狙える一級フィールド。春の乗っ込み桜鯛が本番
選び方LTマダイ入門(東京湾・剣崎/下浦沖)ビシ40号・竿2m・手巻き150番でも狙える軽量スタイルリールリールLTマダイのリールの選び方手巻きカウンター付き150番で成立。電動でなくていい理由ロッドロッドLTマダイのロッドの選び方2m前後・6:4胴調子のライトゲーム竿。手持ちで誘って乗せる道糸PE道糸PELTマダイの道糸(PE)の選び方1.5〜2号・上限3号の細糸設計。潮切れとタナ精度で選ぶ参考にした情報源
- ORETSURI(ビシのFLの意味)(FLのF=船宿。LとBIGの2サイズに船宿要望で細身FLが誕生→一般販売。マダイはFL80号が多用。)
- TSURINEWS(ワンタッチ缶とFL)(FLはコマセ3kg規制に合うスリム設計で潮の影響が少なく沈みが速い。ステン缶は留め栓の二択調整・側面フラットで抵抗小。詰めは半分〜8分目。)
- 神奈川県(船釣り遊漁ルール)(まき餌かごは外径5.5cm以下・収納部長さ16cm以下・1仕掛け1個の規制を確認。)
- TSURINEWS(東京湾コマセマダイ)(東京湾はFL/Mサイズの80号・テンビン腕長50cmが標準。)
- ORETSURI(コマセマダイの釣り方)(テンビンは腕50〜70cmで長いほど絡みにくい。上窓1/3・下窓はオキアミ1匹分1cm。)
- 釣具のイシグロ(コマセカゴ調整)(上窓1/3開けが標準・下の隙間はネジ右回転で狭く左で広く。)
- 釣具のイシグロ(船コマセマダイ・イサキ/静岡)(7〜8分目詰め・下隙間1cm弱・上窓半開。静岡はカゴLサイズ以内、三保・沼津80号/御前崎100号。)
- TSURINEWS(テンビンの種類)(ストレート型=軟素材で曲がり込み食い込み良・弓型=硬素材で戻り反動の自動アワセ。)
- DAIWA(快適天秤 スピード/マルチ)(スピード=可動アームの高感度型、マルチ=クッション効果で低活性向き。Φ1.2-20cm〜1.6-30cm。)
- DAIWA(快適天秤アーチ)(弓型。バネ効果の高アピール+食い込みサポート・デカスナップ。1.2mm-25cm〜2.0mm-50cmの6種。)
- サニー商事(サニービシFL)(FLの号数展開40〜150号。アミ・オキアミ・ミンチに調整機構で対応。)
- YAMASHITA(ライトビシ)(LT五目専用の横目アンドンビシ。ミンチ30/40号・アミ40号、スリムで潮受けしにくい。)
- 庄三郎丸(平塚)(サニービシ80号・片テンビン40〜50cmの指定を確認。)
- こうゆう丸(新潟・上越 能生)(ステンカン(テッカメン)とプラビシの使い分け解説、MDビシL指定、基本80号・冬深場100号。)
- 船釣りマガジン(棒面丸・下浦沖LT)(LTマダイの実釣装備=MDライトビシ40・手巻きIC150番を確認。)
- TSURINEWS(釣行後メンテ)(カゴ類はお湯で塩・コマセを落とし、金属部に錆止め塗布。)
最終更新: 2026-07-03 / 釣りスレッド 編集部